「All-in-One WP Migration」を使ったWordPressサーバー移転手順(後編)

※当サイトでは商品・サービス等のプロモーションを含みます。ご了承ください。

前回、「All-in-One WP Migration」を使ったサーバーの移転手順を画像と共に紹介しました。
一部の方にしか需要は無いかもしれませんが、今回は前回書けなかった残りを書いていきます。

サーバー移転を考えている方の参考にでもなれば幸いです。

11.画像ファイル等の確認


「All-in-One WP Migration」を使ってサーバーの移転をする場合、特にオプションを付けなければ、サイトデータを丸ごと移設可能です。
そのため、画像ファイルなどもそのまま移設できるのですが、アップした画像ファイルが日本語名の場合は、要注意です。

投稿した記事やFTP上で確認すると、画像ファイルが無かったり、文字化けして表示されなかったり、リンクが変になっている場合があります。
その際は、面倒ではありますが、一つ一つ確認して再アップしていきましょう。

12.移転完了後のサイトのバックアップ


常にバックアップを意識的に取っている方であれば問題ありませんが、意外と「こんなところで!」と思うところで問題は発生するものです。
そうなった時にすぐ対処できるように、随時バックアップを取っておく事をおすすめします。

バックアップは、色々な方法がありますが、自分がやり易い・リストアしやすい方法で行っておきましょう。

・「UpdraftPlus」というプラグインを使用し、外部にバックアップを行う。
・今回の「All-in-One WP Migration」を使用し、自分のPCにバックアップファイルを保存しておく。
・FTP経由で自分で必要な部分だけをバックアップしておく。

今回私は、今まで使用していた「UpdraftPlus」でのバックアップと「All-in-One WP Migration」を使って丸ごとファイルを自分のPCにバックアップする形を取りました。

13.メールアドレスの発行

元々のサイトで「お問い合わせ」を設置している方であれば、新しいサーバーでもメールアドレスを設定しておく必要があります。

以下は、mixhostでの設定方法です。


cPanelにログインし、メニュー「電子メール」から「電子メールアドレス」を選択しましょう。


メールアドレスを始めとする必要な内容を設定し、「アカウントの作成」ボタンをクリックしましょう。
作成されたら一度、メールの送受信のテストを行っておいた方が良いですね。

14.「All-in-One WP Migration」の停止または削除


移転にのみ「All-in-One WP Migration」を使用する場合は、残しておいても容量的に邪魔になりますので、プラグインは削除しておきましょう。

私は、今後のバックアップにも使用する事にしていたので、削除ではなく停止しておきました。
(プラグイン「UpdraftPlus」のバージョンアップをしたら不具合が発生したためです)

15.「LiteSpeed Cache」を導入して高速化

移転先のmixhostや一部の他のサーバーでは、「LiteSpeed Cache」と言うキャッシュプラグインが使用できます。
「LiteSpeed Cache」とは、LiteSpeed Webサーバーで使用できる、非常に高速&高性能、軽量なキャッシュプラグインになっています。


基本的に導入するだけで動作しますので、使えるサーバーの場合は、一度使ってみても良いかもしれません。


ただし、他の一般的なキャッシュプラグイン(W3 Total CacheやWP Fastest Cacheなど)を導入している場合は、「LiteSpeed Cache」導入前にアンインストールしておきましょう。
また、一部のWordPressテーマや環境で「LiteSpeed Cache」が正常に動作しない場合がありますので、注意が必要です。

16.「.htaccess」の変更で高速化を図る

「LiteSpeed Cache」を導入して、サイトの高速化を実施しましたが、それでもまだ遅い・速くしたい、と思われる方も多いかもしれません。
そういう場合は、「.htaccess」に手を加えて高速化を図りましょう。
下記のコードを加えるだけでOKです。

FTPを使用して、「.htaccess」ファイルに直接編集しますので、何か不備が発生した場合は、すぐに戻せるようにしておきましょう。
# ETags(Configure entity tags) を無視する設定

    Header unset ETag

FileETag None

# Enable Keep-Alive を設定

    Header set Connection keep-alive


# MIME Type 追加

    AddType text/cache-manifest .appcache
    AddType image/x-icon .ico
    AddType image/svg+xml .svg
    AddType application/x-font-ttf .ttf
    AddType application/x-font-woff .woff
    AddType application/x-font-woff2 .woff2
    AddType application/x-font-opentype .otf
    AddType application/vnd.ms-fontobject .eot


# プロクシキャッシュの設定(画像とフォントをキャッシュ)

    
        Header set Cache-Control "max-age=604800, public"
    
    # プロキシサーバーが間違ったコンテンツを配布しないようにする
    Header append Vary Accept-Encoding env=!dont-vary


# ブラウザキャッシュの設定


    ExpiresActive On

    # キャッシュ初期化(1秒に設定)
    ExpiresDefault "access plus 1 seconds"

    # MIME Type ごとの設定
    ExpiresByType text/css "access plus 1 weeks"
    ExpiresByType text/js "access plus 1 weeks"
    ExpiresByType text/javascript "access plus 1 weeks"
    ExpiresByType image/gif "access plus 1 weeks"
    ExpiresByType image/jpeg "access plus 1 weeks"
    ExpiresByType image/png "access plus 1 weeks"
    ExpiresByType image/svg+xml "access plus 1 year"
    ExpiresByType application/pdf "access plus 1 weeks"
    ExpiresByType application/javascript "access plus 1 weeks"
    ExpiresByType application/x-javascript "access plus 1 weeks"
    ExpiresByType application/x-shockwave-flash "access plus 1 weeks"
    ExpiresByType application/x-font-ttf "access plus 1 year"
    ExpiresByType application/x-font-woff "access plus 1 year"
    ExpiresByType application/x-font-woff2 "access plus 1 year"
    ExpiresByType application/x-font-opentype "access plus 1 year"
    ExpiresByType application/vnd.ms-fontobject "access plus 1 year"



# Gzip圧縮の設定

    SetOutputFilter DEFLATE

    # 古いブラウザでは無効
    BrowserMatch ^Mozilla/4\.0[678] no-gzip
    BrowserMatch ^Mozilla/4 gzip-only-text/html
    BrowserMatch \bMSIE\s(7|8) !no-gzip !gzip-only-text/html

    # 画像など圧縮済みのコンテンツは再圧縮しない
    SetEnvIfNoCase Request_URI \.(?:gif|jpe?g|png|ico|eot|woff|woff2)$ no-gzip dont-vary

    AddOutputFilterByType DEFLATE text/plain
    AddOutputFilterByType DEFLATE text/html
    AddOutputFilterByType DEFLATE text/xml
    AddOutputFilterByType DEFLATE text/css
    AddOutputFilterByType DEFLATE text/js
    AddOutputFilterByType DEFLATE image/svg+xml
    AddOutputFilterByType DEFLATE application/xml
    AddOutputFilterByType DEFLATE application/xhtml+xml
    AddOutputFilterByType DEFLATE application/rss+xml
    AddOutputFilterByType DEFLATE application/atom_xml
    AddOutputFilterByType DEFLATE application/javascript
    AddOutputFilterByType DEFLATE application/x-javascript
    AddOutputFilterByType DEFLATE application/x-httpd-php
    AddOutputFilterByType DEFLATE application/x-font-ttf
    AddOutputFilterByType DEFLATE application/x-font-opentype

17.旧サーバー側は暫く放置

移転元のサーバーですが、まだ契約期間内だったり、資金的に余裕がある場合は、少しの期間残しておいた方が良いかもしれません。
もし、移転先のサーバーで不具合が発生したり、移転元のサーバーの方が良かったと思う場合もありますので、1~3ヶ月位は残しておきましょう。

18.注意点


1)プラグインそのもの
このプラグインは、前述した通り、サイトデータを丸ごと移設可能です。
これは、ユーザ情報なども新しいWordPress上に上書きされますので、複数人で管理している場合は、それぞれ確認しておいた方が安全です。

2)容量について
前回の記事でも書きましたが、容量には注意しましょう。
移転元より移転先の容量が少ない場合、サイトデータが入りきらない場合もあります。
その場合は、圧縮するなり、どこか削るなりする必要が出てきます。

3)作業順番
今回の記事の作業は、どこか前後しても問題ありません。
ただし、前回の記事のネームサーバーの変更など、作業順番が前後すると待機時間が長く(最大数日)なる場合もありますので、注意が必要です。

4)「LiteSpeed Cache」の問題
キャッシュ系プラグインを入れている方だと経験があるかもしれませんが、画像などは更新してもキャッシュをクリア(パージ)しないと更新されない事があります。
特に「お問い合わせ」で良く見る画像認証などを置いている場合、少し手を加えないと認証用の画像が表示されない・違うものが表示されるなどの場合もありますので、確認しておきましょう。

19.まとめ

「All-in-One WP Migration」は、WordPressのサーバー移転が簡単にできる便利なプラグインです。
サイトのデータを丸ごとコピーできるので、バックアップとしても活用できます。
新規サイトを作成する場合にも、ある程度のサイトデータを作成しておけば、時間の短縮にも繋がるかもしれませんね。

ただ、便利で簡単なプラグインですが、確認作業や動作の検証などは、なるべく行った方が良いと言うのが、今回作業した際の印象です。

サーバーの移転・サイトのお引越しを考えている方は、簡単に作業できるので、一度使ってみてはいかがでしょうか。

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